エンジニアには創造意欲が必要。25年目を終えて思うこと

TOP

こんにちは。開発統括グループのsakakiXです。現在はPepperアプリ開発や人工知能研究、新規技術調査を手がけていますが、気付けばエンジニアを続けて25年。若手や中堅のエンジニアの方で長く働けるのか不安に思っている方に、これから書くようなキャリアもあると思っていただけますと幸いです。

冒頭では、私がこれまでエンジニアとしてどのように働いていたのかからご説明させていただき、その後、これまで続けてこられたマインドについてご説明できればと考えております。

ホストコンピュータからクライアントサーバ、Web系へ

私は1990年代に就職し、ぐるなびに入社するまでは主に以下のような経歴を辿ってきました。

  • システム開発・運用会社でCOBOL言語を用いた経理システムの開発
  • Lotus社にてLotus Notesのシステムコンサルティング
  • 複数のWeb系企業にて携帯電話の音楽配信サービスや旅行サービスなどのシステム担当

様々なWebシステムに携わるにつれて強くなっていくのは、より自分の好きなことに携わりたいという思いでした。私の場合、好きなことは「食」。食に関連する仕事に就きたいと思い、ぐるなびの求人に応募しました。

ぐるなびではPepperアプリ開発を手がける

ぐるなびでは入社してからいままでで、以下の開発に携わってきました。

  • 予約台帳システム
  • Pepperの受付システム
  • 人工知能の研究開発

また、ぐるなび社内ではエンジニアを中心に勉強会を実施しています。そこで私はPepper勉強会を講師として主催しています。

勉強会をおこなう目的は、社内の開発者に新規技術に対しての興味を持ってもらうためと、技術の向上のためです。また、その新規技術からぐるなびの新しいサービスへの展開をエンジニアが考えられるようにしたいと考えています。

エンジニアとして意識していること

25年間エンジニアをやっているなかで、意識していることをまとめてみます。

横のつながりの重要性を意識する

当たり前ではありますが、仕事をするにあたりコミュニケーションは欠かせません。 これを強く実感したのは、商社でシステム開発を手がけていたときです。

商社の営業職の方は、非常にコミュニケーションがうまいもの。100〜200社を常に相手にしながら、上手に信頼関係を築きます。そのため、トラブルが起きたとき、助け舟を出してくれる企業が常にいる状態で、大事に至らないようにできるのです。 企業規模でなくとも、普段の業務にも言えます。普段からさまざまな人と関わりを持つことで、トラブルがあったときに相談したりカバーしてもらっています。

こういった取り組みをしている方々を間近に見ていた経験から、私自身もぐるなびではエンジニアのみならず、他部署の方と積極的に話すようにしています。話題は「新発売のガジェットについて」など、世間話でよいのです。ただ、相手の専門分野の領域においては、変にでしゃばらず、相手を尊重しながら話を聞く姿勢をとっています。

識者と積極的に話す

昔はよく開発者のところに行って話を聞いていました。いろいろな人と会うことで、のちに相談しあえる関係になることがあります。

最近では開発者に連絡をとるときにSNSを使っています。SNSだけでは話しきれない部分もあり、現場に足を運び実際に開発したものを触ったり見たりしたこともあります。時には、どのようにこの効率のよいプログラムを作れるのか、また、このシステムを作るときの苦労話の秘話なども教えていただいたりしました。

昔も今も、言語の開発者や著名な方など、会おうと思えばけっこう会ってくれるもの。これまで20人ほどにコンタクトをとり、16人ほどは気軽に会ってもらえました。残りの4人も、コンタクトをとってお会いした方の紹介いただき、会うことが叶いました。25年間、臆さず行動に移してきて良かったなあと思うポイントです。

また、同業の方々だけでなく、異業種の方とのつながりも大切にしています。なかにはもう20年来の関係がある方もいらっしゃいます。時折、SNSでのメッセージのやりとりだけではなく、直接会いに行って、近況をお聞きすることも。それにより、海外の動向などの新しい話から「学び」を得ることがあります。

変化の激しい技術トレンドのなかで生き残るために興味を持ち続ける

エンジニアとして25年ほど働いていて思うのは、技術は「集合」と「拡散」で動いているということです。技術に限らずさまざまな事象でも言えることではありますが、一番わかりやすい例でいうと、ファッションでしょうか。

人間のブームは人間が考えています。昔のトレンドが一周して戻ってくるとよく言われますが、ある世代の人たちが自分たちの小さい頃に良かったと思うものを、大人になって「もう一回同じものをつくってみよう」という傾向が出てくる。トレンドはその繰り返しだと思うんです。昔のものがそのまま戻ってくるわけではなくて、プラスアルファで「よきもの」がくっついて、新しくなって戻ってくるという形で繋がっていると思います。

コンピュータの世界では以下の遍歴を辿ってきました。

  • ホストコンピュータシステム
  • クライアントサーバ
  • Web
  • クラウド、IoT

ここからは私の所感となりますが、80年代の主流であったホストコンピュータシステムは、大型コンピュータ1台に全データを格納して動かす集中型。クライアントサーバは、プログラムをクライアントに移しホストにデータを置きながら稼働させた分散型。その後台頭したWebは、Web型アプリケーションサーバ(ASP[Application Service Provider])にプログラムが集中しています。そしてクラウドやIoTの活用が進んだ現代は、分散型といえます。ひとつの場所のみにプログラムが集中しているわけではなく、分散され効率よく利用できる状況のためです。

集合と拡散

ホストからクライアントサーバ、そして、ASPからクラウドのように「集中型では遅いから分散にするのがいいかもね」、クライアントサーバからASPのように「管理が大変だから一元化した集中型がいいかもね」という具合に行ったりきたりの状況なのかなと思います。こうした繰り返しのスパンはどんどん速くなっている印象があります。昔は5年周期だったものが、今は1年~半年ぐらいの勢いでトレンドが変わっています。

変化が目まぐるしいなかでも好きだから継続できる

上記のように、トレンドが目まぐるしく変化するなかで、エンジニアには新技術に対応していくことが求められます。そこで必要になるのは結局「興味」だと思います。どんどん新しいものが出てくるなかで、次に来る新しいものは何だろうと掘り進めていくことが大事なのではないでしょうか。

逆に、興味がなくてはやる気は出ません。無関心の分野では本来の力の10%もパワーを出せない人もいるでしょう。

興味を持ちつつ、周囲にそれを公言することも大切なことです。それをおこなうことで新しい技術をキャッチアップできる環境になっていきます。業務外で私個人の趣味で体験した話ではありますが、3Dホログラムの技術においてそれを実感しました。10年前から「映画のようなホログラム技術を実現させるには、どのようにしたら良いか」という話を事あるごとに話しているうちに、他にも興味のある人間がみつかって、さまざまな話ができるようになりました。

最近では、ニコニコ動画などで動画があがるほど注目されてきていますが、わたしたちはさらに進化した状況を話し合っています。そのひとつが集団ホログラムです。主にスポーツの領域で活用できると考えています。選手ひとりひとりの姿をホログラムで移し、動きを人工知能で再現させる。この技術ができれば、作戦の幅は広がると考えています。このような話をしているのは、わたしにとってとても楽しい時間であり、業務とは直接が関わりがなくとも常に新しい技術をキャッチアップするためには欠かせません。私の場合はホログラムが趣味だったためそれを例示しましたが、ホログラムに限らずとも言える話だと思います。

壁にぶつかっても、考え続けることで解決策をひらめける

一生懸命にプログラムを作っても、バグの発生は起こりえます。そうした「壁」にぶつかった瞬間はしんどいですが、解決のヒントは、直接はバグに関係ないところから出てくることも多いもの。

自分の経験で話しますと、プログラムの実装的には問題はないものの、リターン値で戻ってくる数字が違うことがありました。

先に原因を話しますと、テスト時は問題はなかったのですが、実際の運用開始後、他社チームが担当した機能が変更されたことによって発生したバグでした。その機能は私のチームがプログラムをリリースした4日後にローンチ。同時並行で開発がおこなわれていましたが、情報共有が十分にされていなかったのです。そのため、私のチーム内でテストをしても発見されていませんでした。

しかし、当時はその原因がわからず困窮していたのです。

このバグに悩んでいるときにヒントとなったのは、友達が話した子どものいたずら話でした。彼には2人の子どもがいて、お兄さんの荷物に対し、弟がバレないようにこっそりいたずらしてお兄さんを困らせたんですね。

この話を聞いたとき、自分の抱える課題に置き換えて、自分のプログラムでない場所で問題が引き起こされている可能性を考えました。確認してみたところ、共有で利用されているマスターの数字が変化していることに気づき、仕様変更があったことを見つけられたのです。

創造意欲が人工知能が進化した未来でも技術者として生き残る糧となる

ここ10年ほどでWebがどんどん広まり、めまぐるしく技術は革新していきます。その一例をあげると、人工知能の分野が顕著です。たとえばSiriGoogle Nowしゃべってコンシェルなどは、もう人工知能といっても過言ではないレベルのものです。

いずれはIoTで冷蔵庫の中身をカメラで見てレシピを薦めてくれる人工知能ができたり、在庫が切れたら自動でオンラインで注文してくれたりするような時代になると思います。

それは何十年後ではなく、おそらくもう数年先の話でしょう。今人間が担っている作業もいずれは人工知能に移行し、もっと速いスピードで処理されることは想像に難くありません。

人工知能が発達すると究極的には「これからは(現代のような働きのみをおこなう)技術者は要らない」となることも考えられます。だからこそ、技術者には新しい技術を組み合わせて、新しいものを生み出す力が求められると思います。

私はかつて商社の経理系のシステムを開発していました。輸入を扱うため税率に変更がたびたびおこります。そのため、税率変動に対応できるシステムを作っていました。

ちょうどその時、消費税が導入されることに。上層部からは最短で対応するために当時の消費税率、3%だけ加算されるシステムの構築を依頼されました。

しかし他の税と同じように税率が変わる可能性を考え、期限と税率を変更できるシステムを構築。その後、私は別の会社に移りましたが、消費税率が5%や8%に変更されてもプログラムを修正する必要なく、簡単に対応できているそうです。

おそらくこの動きは、現状の人工知能ではできない領域です。税率の変更があるかどうかもわからないのに税率を変更できるようなシステムの構築は、固定の数字で構築するよりも大変で手間のかかることであり、合理的でないためです。

しかし、このケースでは、運用開始されしばらく経ってから消費税率の変更がおこったため、一見非合理的に見えた仕様変更に簡単に対応できるシステムにしたことが功を成しました。このように自分たちで何かを創造しようという意識を持っている人は良い成果を出すことがあると考えています。

最後に

これらはあくまで私の経験上の話ですが、参考になれば幸いです。

また、私は若手・中堅技術者こそが未知なる技術開発の担い手だと考えています。新しい技術を開拓していきましょう。


お知らせ
ぐるなびでは一緒に働く仲間を募集しています。



sakakiX

ぐるなびでPepperくんの開発、新規技術調査を行っています。食べること、飲むこと大好きで知り合いの飲食店も何件かあります。今は安価でおいしいお店を調査中です。