買い物リストはTrello、家族会議はSlackで。ママエンジニアの無理しすぎない育児プロジェクト

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こんにちは。エンジニアの小川です。約1年の産休育休を経て2016年に復帰し、ワーキングマザーとしての日々を送っています。主な役割は「ぐるなびまとめ」というコンテンツの開発チームリーダー。仕事内容は、チーム運営や案件管理などです。

ぐるなびのエンジニア職では産後に復帰する人が100%(2017年1月現在)*1。復職者向けの支援制度があり、妊娠・出産するママを会社がバックアップしてくれます。

今回は私の産休育休から復職までの体験や子育て・家事の経験から得たマインド、家庭での情報収集・共有方法などを紹介していきたいと思います。

妊娠発覚から産休引き継ぎまで

2014年の4月にレストラン検索のチームリーダーになった私は4月中旬に妊娠が発覚。一部上長には早め(4月下旬)に報告し、8、9月あたりから後任者(同じチームの後輩)への引き継ぎをはじめました。

引き継ぎ内容は、実務的なことよりチーム運営的な業務がメインでした。

作業手順などは社内で文書化、知識共有されています。明文化されていない情報は口頭やメールで伝え、スプレットシート等のツールを使ってソース管理や評価などを共有。運よく体調も良かったためバタバタし過ぎることもなく、余裕を持って引き継ぎできました。

秋以降は、実務的な部分を同じチームのもう一人のリーダーに回してもらうことに。産休に入ったのは10月下旬でした。

「惰性」や「習慣」を捨て、取捨選択するマインドに

育休中に感じたのは「意外と時間が取れない」ということ。

赤ちゃんの生活リズムはあってないようなもの。夜中に何度も起きたかと思えば朝遅くまで寝ていたり、生活のリズムが定まってきたかと思いきや翌週にはガラッと変わったり。不規則な生活を送っていました。

産休前は「子どもが寝たあとに勉強できたらな」と夢見ていましたが、実際は自分が寝るタイミングすらありません。子どもが寝た隙に自分も休息をとる具合で、仕事のことを考える時間は全くなかったです。

育児は仕事よりも数倍早く、大小のタスクが積み上がります。「あれをやらなきゃ!」と思うと、子どもが何かをやらかして、新たなタスクが発生することもしばしば。それでいて子どもの安全を守らなくてはなりません。本当に大事なことに注力するというマインドに変わりました。

すべてをこなそうとしてしまうと身が持ちません。やるべきことを取捨選択しつつ、緊急性のないものや手を抜いてもいいことはあっさり諦めるようにしました。

もともと私はご飯の支度ができなくても「夫に買ってきてもらえばいいや」と思うタイプ。頑張りすぎない性格なので「私、ダメだー」と落ち込むことはありませんでした。いい意味で手を抜くのが良かったのかもしれません。

保育園探しにひと苦労

保育園探しには苦労しました。妊娠中に区役所で冊子をもらい保育園を探しはじめて、見学したのは20~30カ所。認可保育園に申し込みをはじめたのは2015年の6月のことでした。

探す範囲を広げて11月ぐらいまで保育園探しをしていました。12月までに預けられる保育園を決めたかったのですが、全部落選してしまったため、育休を伸ばしてもらうことに。その後、認可外保育園から1枠空いたと連絡が入り、預け入れる保育園が決まりました。

入園できると決まってからは、徐々に子どもの預け入れ時間を増やしていく「慣らし保育」をはじめました。それと並行して、年明けから復帰するべく、夫婦で復帰後の朝や夜におこなう家事育児のシミュレーションをしたり、復帰前にやっておきたいことをリストアップして実行したり、計画的に過ごしていました。つかの間のひとり時間を得てリフレッシュし、娘も少しずつ保育園に慣らすことができました。

復帰後はツールを活用して家事育児を分担

復帰は2016年の1月のこと。ぐるなびでは、病児保育制度や在宅勤務などの育児支援制度が使えて助かっています。

病児保育制度では、子どもが発熱した際に病児保育スタッフを自宅へ派遣できます。夜の時点で体温が高くて明日の保育園預け入れが厳しそうなときは予約しています。病院に連れていってもらうこともできるし、半額ほど会社側が負担してくれるのでとても助かっています。

在宅勤務制度は、育児に関する理由があるときに最高で月に3日間活用できます。ただ、権限の問題でアクセスできないページもあるので、そういったことに左右されない作業を行える時に活用しています。

SlackやGoogleカレンダーで夫と情報・スケジュール共有

私の両親は共働き、義両親は遠方に住んでいるため、基本的に夫婦2人でなんとかしています。夫とは子育てプロジェクトの参加メンバーという認識で家事・育児という仕事をシェア。復職以前は帰りの時間が遅かったのですが、今は用事がない限り早く帰って来ます。とはいえ、夫も仕事と家事・育児の両立には苦戦していて、世の中のワーキングマザーのような悩みを抱えているようです。「仕事を途中にして帰らなきゃいけない」という問題は男女共に起こりうるものですね。

家事のタスクとして誰が何を担当するというのは決めていません。日々の状況に応じて2人でタスクを消化しています。たとえば私が食事の支度にかかりっきりだったら夫はお風呂の準備。寝かしつけをしていて手が離せないときは、夫が食事のストックを作ってくれます。

スケジュール
1日の流れの例。夫が17時半に定時退社して19時台に帰宅し、2人で家事をおこなう日もあります

子育てプロジェクトの当初は、子どもの様子や近日中に決めることなどをホワイトボードに書き出していました。毎日、10分間ほど今日のできごとを報告する場を設けました。

現在、そういったやりとりをする主な場はSlackです。会社でもSlackを使っているのですが、夫婦専用Slackを立てて利用しています。「保育園」や「引っ越し」、「娘ヘルプ」というように話題別でチャンネルを作り「どっちがお迎えに行く?」や「このタスクやってほしい」といったやりとりをしています。

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ちなみに、下の画像の17:26と17:43にあるのは娘の写真のEmojiです。可愛いと思ったものや、ときどき変顔など、お気に入りの写真をピックアップし制作し、夫婦で使って楽しんでいます。Emojiはサイズが小さいので、トリミングしても顔がはっきりわかる画像を選定するのがコツです。

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お互いのスケジュールはGoogleカレンダーを共有で使って調整しています。先に予定を入れたほうが優先されるという暗黙の了解がありますが(笑)。

その他の工夫

多忙な時期は日々何かしらのタスクを残しながら帰るので後ろ髪を引かれてばかりいます。育児中はPCに向かう機会が減りますし、本を読む時間も取れません。エンジニアとしてどのように知識を蓄え、技術トレンドを追うかという問題が発生しますが、私はTwitterやSlackなどから情報収集しています。興味のあるアカウントをフォローして、家で子どもが黙々とひとりで何かをはじめたり、寝たりしたときにそれらのアカウントから情報を追っています。

育児を通じて変わった仕事のスタイルは、タスクの取捨選択を短いスパンで見直すようになったことです。状況はすぐに変わるため、業務のタスクは社内の人間が閲覧できるSlackのチャンネルに書き出します。タスクを終えたらSlackのリアクションスタンプでマークをつけます。

日常でも、Slackは活用しています。ほとんどはIFTTTを使いますが、主に以下のような設定をしています。

  • myThingsで天気情報を特定のチャンネルに投稿
  • Twitterで電車遅延や好きな芸能人、アニメの最新情報を発信するアカウントが投稿したらIFTTTで特定のチャンネルに投稿
  • 家族用のGoogleカレンダーに予定が入ったらIFTTTで特定のチャンネルに通知
  • 街の防犯情報メールを受け取ったら特定のチャンネルに投稿
  • 技術系サイトのフィードを読む

また、Trelloも活用しています。たとえば、引越をした際や保活(保育園預入活動)、買い物のメモやタスク管理などです。タスクごとにチケットを作成し、ステータス変更を検知したらSlackの特定のチャンネルに通知を飛ばしていました。

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IoT(Internet of Things)がブームとなっている昨今。チェックしているサイトでもIoTをネタにした記事やブログを見かけることが多くなってきました。なかには、家事や育児、生活全般に活かせるような工夫をしているものも見かけます。私にとって未経験の領域ですが、IoTを生活にとりいれられたら面白そうだなと思っています。

まとまった時間をとれなくても隙間時間を活用する日々

こうしてママエンジニアとして日々働いている私ですが、仕事と家庭を両立させることは大変だと感じています。

子どもが体調を崩した場合は、朝に子どもを病院へ連れて行ったり病児保育を頼んだりしてから出勤することも。勤務中でも子どもが体調を崩したときは保育園から呼び出しがかかるので、予定していた会議をリスケしたり、タスクのスケジュールを調整しなければなりません。

現在は時短勤務をおこなっている関係で、業務時間は十分にとりにくいといえます。時短している分帰宅後に時間がとれると思われるかもしれませんが、帰宅してから就寝まで、家事タスクはノンストップ。ゆっくりできるまとまった時間をとりにくく、家で仕事のことを考える時間もとりにくいのが現状です。

とはいえ、その状況に甘んじないようにしています。ひとりになれる通勤時間などは仕事のアイデアを考える時間に。現場で問題が起きていて社外にいるときには支給されている社用端末を使い、対処できることはSlackで対応。わずかな時間をやりくりしながら仕事の時間を工面しています。

まとめ

幸い、夫は家事や育児に協力的。私ひとりでできることには限界がありますが、アクシデントが起きたときに都度相談できるのは頼もしいです。ときには、子どものお迎えを夫に頼み自分は残業できるので助かっています。

ぐるなびは前述の病児保育制度や在宅勤務制度など、育児をしながら働く人のための制度が整いつつある会社です。どうしても残業できないときには本当にもどかしさを感じるのですが、同僚や上司、部下も理解があり、暖かく支援してくれると実感します。いつも助けてもらっているチームメンバーには、本当に感謝しています。

大変なことは多いものの、共に過ごしているうちに目にするのが、子どもの言葉や身体能力の成長です。その姿に、私達大人もすごく刺激を受けます。成長を喜ぶとともに仕事を頑張ろうと思えます。

今後も夫や同僚の協力に感謝しつつ、ITの力を駆使して忙しい日々を乗り越えていきたいです。



※記事内一部画像に不備がありましたため、該当画像を削除いたしました(2017/02/23 15:10)

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小川

2008年新卒入社。ワーキングマザー1年生として日々の家事育児にてんやわんやしながら「ぐるなびまとめ」の開発業務をこなす。無類の肉好きで「お肉は人を幸せにする」が持論。しかし最近はお肉の写真より子供の写真の方が増えつつある。

*1:産休育休取得経験者15名。取得中6名、復帰9名(うち1名は、現在第2子産休中)