5年間やって気づいた、朝会スタンディングミーティング5つのポイント

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 はじめまして。エンジニアの小川です。

 新卒で入社して以来、主にレストラン検索系の仕事を担当してきました。約1年の産休育休を経て今年から復帰し、今はぐるなびまとめを担当しています。焼肉、特にカルビが大好きです。

 ぐるなびでは、一部のチームで朝会と呼ばれるスタンディングミーティングを実施しています。始まりは5年前。自主的に試行錯誤しながら今日まで続けてきました。

 今回はスタンディングミーティングの運営ポイントを紹介していきたいと思います。

はじめに・朝会とは

 2011年ごろ、私の所属していたチームでは

  • 同じチームなのに同僚の顔が見えない
  • 重要な情報伝達が流れる
  • 重要ではない情報の伝達のため、会議回数が増える
  • リーダーがメンバー工数を把握しにくく、チーム内でタスクの偏りが生じる
  • タスクの確認漏れが頻発する

といった問題が顕在化。そこで、とあるメンバーの「デイリースクラムやらない?」という呼びかけをもとに、朝会がスタートしました。 現在は

  • 6〜10名が参加
  • 毎朝9時30分から15分間
  • ホワイトボードとふせんを使い、カンバン形式でタスクを把握

というスタイルが定着しています。

 開始時(2011年)のメンバーは3人。取り組んでいるプロジェクトも同じものが多かったため、デイリースクラムのスタンドアップミーティングに近いことをしていました。

「デイリースクラム」とは

 アジャイル開発手法で行われる1日1回、15分間のミーティング。メンバー同士がタスク進捗や予定、問題点などを共有しあうのが目的です。

 私が参考にしたのは『アジャイルサムライ――達人開発者への道』。朝会・ふりかえり・カンバンなどのアプローチはこの本から学びました。

ポイント1. スタンディングスタイル

 ここからは運営のポイントを紹介していきます。まずはスタンディングスタイル。

 メンバーが自席に座りながら朝会をしていた頃もありました。しかし座席の配置によってお互いの顔を合わせづらくなってしまいます。どうもしっくりきませんでした。

 そこで毎日開催&場に集まることを重視した結果、立ってやることになりました。

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メンバー全員の顔が見える

 立ちながらのミーティングでの思わぬメリットは、PCから離れること。座ったまま朝会をしていたころは内職をする人もいましたが、立つことでミーティングと業務のメリハリがつくようになりました。

ポイント2. 毎朝15分で完結させる

 朝の15分は貴重な時間。連絡内容は以下の3点に限定し、スピーディな情報伝達を心がけています。

  • 本日のリリース案件
  • 共有事項、相談事など
  • トラブル報告

 共有事項や相談事は今その場で確認したい内容のみ伝えることにしています。トラブル報告も原因と発生経緯の共有にとどめ、どうすればトラブルを防げたか、再発防止策など具体的な話は別の時間を設けます。

ポイント3.「今週・来週リリースするもの」のみ情報共有

 ふせんに書き込み、ホワイトボードに貼りつけるのは今週・来週リリースの案件のみ。「直近はこのリリースがあるけど、この仕事がそっちの仕事に影響しない?」というようにメンバーが確認し合います。

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ふせんの貼りかえは週の初めに実施

 一時期は、個々人のタスクをすべてふせんに記入して共有していました。しかし、かえって今手を付けている案件が何だか分からなくなってしまうという事態に。ボードには来週リリースする急ぎの案件と、2ヶ月先にリリースの案件が「着手中」として一緒にまとめられていたんです。

 そこで共有する範囲を今週・来週リリースの案件だけにし「進行中だがリリース日が先で、まだ急がなくていい案件」とは分けて考えることに。誰が何をしているか、リリース日はいつか。自分たちのチームにはそれが最も必要だという結論に落ち着きました。

リリースされた案件は「ミニ振り返り」で確認し、チームメンバーの仕事を知る

 朝会と関連してリリース案件のミニ振り返りを週次で行っています。

 この会はリリースされた案件を、メンバー同士が実際の画面を見ながら確認するというものです。同じチームといえど担当業務・コンテンツはさまざま。メンバー同士の成果物を見ることで、お互いの業務への理解を深めています。

ポイント4. チーム内のリソースを見える化し、タスク調整を容易にする

 朝会内でタスク調整が行えるよう、プロジェクト管理システムとリソース管理表を自動連携させ、リソースを見える化しました。

 この連携は昨年(2015年)から始まったのですが、主なメリットは2点。

  1. システムとの自動連携により、タスク挙げの段階で漏れがない
  2. 朝会内で代役の担当者がアサインできる

 特に「朝会内ですぐ代役が決められるようになった」のはよかったのではと感じています。メンバーのタスク分散ができるため、誰か一人が案件を抱え込むという状況が減りました。

ポイント5. コミュニケーションを欠かさない

 朝会は情報共有だけでなく、コミュニケーションがとれる場だということも意識しています。

チャットだけに頼らず「伝えたつもり」をなくす

 Slackのようなフロー情報はすぐに発言できて便利な半面、伝達事項が流れてしまい、本当に全員が見ているのかがわからないという難点があります。連絡をした気にならない・確認漏れをなくすという意味でも、朝会はリマインドの場として最適です。

メンバー同士の横断的な会話が生まれるようにする

 日中におこなうチームMTGでは、同じ部署の全員が集まるのが難しいこともあります。

 その点、朝なら時間調整もしやすいですしコミュニケーションがとれる。朝会では自然と「いまこういうのに困っているんだけどどうすればいい?」「それは、こういうやり方があるんじゃない?」というような横断的な会話が生まれるようになりました。気軽に質問でき、トラブルの芽がつぶしやすくなっています。

おわりに

 朝会が始まった当初とはメンバーも運営方法も変わりましたが、常に心がけているのは「1番良いやり方はなんだろう?」と考えること。何も考えずに同じことを続けていると惰性になっていき、目的を見失いがちです。ですので改めて「朝会をなぜやるのか」というのを何人かと話し合いながら、今でもスタイルを改善し続けています。

 チームや状況に応じて、使うツールや運営方法を日々ブラッシュアップさせることが大事だと実感しています。

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エンジニア・小川(左)と同じくレストラン検索(PC/スマホ)の開発・運用業務を担当する鈴木。朝会は2人が主導となって始まった取り組みです

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小川

2008年新卒入社。ワーキングマザー1年生として日々の家事育児にてんやわんやしながら「ぐるなびまとめ」の開発業務をこなす。無類の肉好きで「お肉は人を幸せにする」が持論。しかし最近はお肉の写真より子供の写真の方が増えつつある。