【アドベントカレンダー2025】GenAI Week Silicon Valley 2025参加のおもひで

はじめに

皆さん、こんにちは! 株式会社ぐるなびで Principal Tech Lead を務めている小向です。

アドベントカレンダー2日目よろしくお願いします(アドベントカレンダーをやろうと言い出した本人が2日目ですが^^;)!

今回は、GenAI Week Silicon Valley 2025 で得た学びや現地の熱気を、ぐるなびの未来、そして日本のエンジニアの皆さんの未来にどう繋げていくか、という視点でご紹介したいと思います。

GenAI Week Silicon Valley 2025とは

2025年7月13日〜17日にサンタクララ・コンベンションセンターで開催された、世界最大級の生成AI(GenAI)サミットです。

次世代の人工一般知能(AGI)の未来を定義することをテーマに掲げ、GPTDAOなどが主催しました。 30,000人超の参加者、500以上のスタートアップデモ、300人以上のAIパイオニアが一同に会する大規模イベントです。 100以上の技術的なセッションや、投資家とのマッチメイキング、創業者によるピッチセッションなどが5日間にわたり開催されました。 Tesla Robotaxiのライブデモなど、最先端の技術を体験でき、GenAIの未来を築く全ての人々が集結しました。

luma.com

本日の航海図(アジェンダ)

本記事では、以下の3つのトピックとまとめについてご紹介します。

  • トピック1: 開発とビジネス - 完璧より突撃
  • トピック2: マインドセット - AIは相棒であって支配者じゃない
  • トピック3: 未来の話 - AI同士が商売をはじめ、空飛ぶクルマはAIを避ける?
  • まとめ: で、我々はどうする?

トピック1: AI開発とビジネスへのアプローチ

シリコンバレーで最も強く感じたのは、その圧倒的なスピード感でした。 AIの世界では、私たちの常識をはるかに超える速度で物事が進んでいます。

1-1.完璧より爆速リリース!「すべてはベータ版」と考えよう


AIの世界では魔法1週間で当たり前に

  • 完璧なアーキテクチャを議論している間に、市場は次のステージへ

作るものはすべて砂の城だと考えよ

  • 新しいモデルや技術の波が来れば、作り直しは当然
  • 使い捨てを恐れない

14日間のサイクル圧縮スプリント

  • 小チームで「どうすればこの開発サイクルを半分にできるか?」だけを考える

AIの世界では、昨日までの魔法が、今日にはもう当たり前になります。 私たちが数ヶ月かけて完璧なアーキテクチャを議論している間に、市場はあっという間に次のステージへと進んでしまうのです。

現地で出会ったエンジニアたちは、まるでそれが当然であるかのように、「今作っているものは、美しい砂の城のようなものだ」 と話していました。 新しい技術の波が来れば、作り直すのは当たり前。 使い捨てを恐れていては、何も生み出せません。

そこで私たちが取り入れるべきなのが14日間のサイクル圧縮スプリント です。 小さなチームで「どうすればこの開発サイクルを半分にできるか?」という一点だけを考え、とにかく早く市場にプロダクトを届ける。この爆速の学習サイクルこそが、現代のAI開発における生命線だと痛感しました。

1-2. AIパワードって言いたいだけ?顧客の痛みを解決しよう


バズワードに酔うな

  • 「AIパワードソリューションです!(ドヤァ)」
  • …で、それ、誰の何を解決するの?

顧客が本当に欲しいのはROI

  • データ (Data) → 洞察 (Insight) → 予測 (Prediction)
  • 顧客の「次、どうすればいい?」に答えるのが仕事

AIDXビッグデータこうしたバズワードを使いたくなる気持ちは、エンジニアなら誰しも理解できるでしょう。 しかし、「AIパワードなソリューションです!」と胸を張って言ったところで、「…で、それは誰の何を解決してくれるの?」と問われた時に、明確に答えられなければ意味がありません。

顧客が本当に求めているのは、かっこいい技術の名前ではなく、 ROI (Return on Investment: 投資対効果) です。 私たちの仕事は、単にAIを導入することではありません。 Data (データ) を集め、Insight (洞察) を得て、Prediction (予測) に繋げる、このサイクルを通して、顧客が抱える「次、どうすればいい?」という痛みに寄り添い、具体的な答えを示すことこそが、真の価値提供に繋がります。

トピック2: AIを使うにあたってのマインドセット

AIは強力なツールですが、その使い方を間違えれば諸刃の剣にもなり得ます。ここでは、私たちがAIと向き合う上での心構えについてご紹介します。

2-1.AIを野放しにするな!人間という最強のループを組み込め


AIは本質的に確率的非決定論的

  • 100%の正解は保証しない。たまに、すごい嘘をつく。
  • 完全に自律的な世界は、まだ早い(し、怖い)

Human in the Loopが絶対必要

  • 人間の専門知識、制御、監視が信頼の鍵
  • 推奨:「80%の自動化 + 20%の人間による最終確認」

同意管理

  • 「AIさん、この処理、実行してよろしいでしょうか?(ポチッ)」のひと手間が命を救う

大前提として、AIは本質的に確率的非決定論的なシステムです。 つまり、100%の正解は保証してくれません。時には、もっともらしい顔ですごい嘘(ハルシネーション)をつくこともあります。

だからこそ、Human in the Loop (人間が介在する仕組み) が絶対に必要になります。

AIに全ての判断を委ねるのではなく、「AIさん、この処理を実行してよろしいでしょうか?」と人間が最終確認のボタンを押す、そのひと手間が致命的なエラーを防ぎます。 理想は「80%の自動化 + 20%の人間による最終確認」 というバランスです。 人間の専門知識、制御、そして監視があって初めて、AIは信頼できるパートナーになるのです。

2-2.仕事、奪われる?いや、アイアンマンになるんだ!


AIは人間の能力を代替するのではなく増幅する

  • 反復作業はAIへ。人間はより創造的な仕事へ。
  • アイアンマン:普通の人が専門家並みのことを成し遂げる

責任は常に我々にある

  • AIが生成したかどうかに関わらず、成果物の責任は我々が持つ

「AIに仕事が奪われる」という議論をよく耳にしますが、私はそうは思いません。 AIは人間の能力を代替するのではなく、増幅するためのツールです。 面倒な反復作業はAIに任せ、私たち人間はより創造的で、本質的な課題解決に集中する。 これを、あるスピーカーは「アイアンマン」 と表現していました。 パワードスーツを着ることで、普通の人間がスーパーヒーローになれるように、AIを使いこなすことで、誰もが専門家レベルの成果を出せるようになる、という考え方です。

ただし、忘れてはならないのは、責任は常に私たち人間にある ということです。 AIが生成したコードであろうと、文章であろうと、その最終的なアウトプットに対する責任は、ツールを使った私たち自身が負うのです。

トピック3: 未来の話 - 海外ならではの興味深い話題

カンファレンスでは、少し先の未来を予感させる、刺激的なトピックも議論されていました。

3-1.AI同士が商売を始める未来A2Aコマース


A2A (Agent-to-Agent) Commerce

  • 自律型AIエージェントが、他のAIエージェントと商業取引を行う

市場規模は 1.3 兆ドル?!

  • AIエージェント市場は2030年までに年率 44% で成長予測

もう始まっている未来

  • KYA (Know Your Agent):AIエージェントの身元保証サービス
  • 「CRMに担当者カラムの横に担当エージェントカラムが追加される日も近い」

A2A (Agent-to-Agent)コマースという言葉をご存知でしょうか? これは、自律的に動作するAIエージェントが、他のAIエージェントと直接、商業取引を行う未来の形です。 例えば、企業の購買担当AIが、供給元の販売担当AIと交渉し、発注を完了させる、といった世界観です。

このAIエージェント市場は、「2030年までに1.3兆ドル規模にまで成長する」という予測もあるそうです。

すでに、AIエージェントの身元を保証するKYA (Know Your Agent)というサービスも議論され始めており 、「私たちが普段使っているCRM (顧客管理システム) に、担当者カラムの隣に担当エージェントカラムが追加される日も、そう遠くない」とのことです。

3-2.空飛ぶクルマ、AIに運転任せちゃダメ、ゼッタイ!


AIに飛行制御は任せられないという強い主張

  • 理由:AIは確率的。空でのエラーはに直結する。
  • 航空安全基準:10億分の1の致命的エラー率。現在のAIには不可能。

自動操縦 ≠ AI

  • 現在の旅客機の自動操縦は、長年テストされたルールベースの決定論的システム

じゃあAIはどこで使うの?

  • 複雑なハードウェア設計、最適な飛行経路の計算、障害物検知など、確率的な思考が活きる分野

一方で、AIの活用に非常に慎重な分野もあります。その代表例が空飛ぶクルマの飛行制御です。 あるセッションでは、「AIに飛行制御を任せるのは絶対にあり得ない」と強く主張されていました。 理由は明確で、AIが確率的なシステムである以上、予測不能なエラーの可能性をゼロにできないからです。 空の上でのエラーは、乗員の死に直結します。航空業界で求められる安全基準は10億分の1という驚異的なエラー率ですが、現在のAI技術では到底達成不可能です。

なお、現在の旅客機に搭載されている自動操縦システムは、AIではなく、長年のテストを経て確立されたルールベースの決定論的なシステムです。

AIは、複雑なハードウェア設計の最適化や、最適な飛行経路の計算といった、確率的な思考が活きる分野での活用が期待されています。

まとめ:で、我々はどうする?明日から行動を変えるための3つのポイント

動け、早く!

完璧な計画より、まずリリース。「すべてはベータ版」の精神で、失敗から爆速で学ぼう。


主役は顧客!

AIで何ができるかの前に、顧客の痛みは何かを考え抜け。我々は技術者である前に、課題解決者だ。


手綱を握れ!

AIは便利な相棒だが、魔法の杖じゃない。最終的なアウトプットの責任は自分にある。


シリコンバレーの風を浴びて、私が皆さんと共有したい明日から行動を変えるための3つのポイントです。

動け、早く! 完璧な計画を立てる前に、まずリリースしましょう。「すべてはベータ版」の精神で、市場から、失敗から、爆速で学ぶ。それがAI時代を生き抜くエンジニアの姿です。

主役は顧客! AIで何ができるかから考えるのをやめましょう。顧客の痛みは何かを徹底的に考え抜く。我々は技術者である前に、優れた課題解決者でなければなりません。

手綱を握れ! AIは魔法の杖ではなく、あくまで相棒です。AIを乗りこなし、その性能を最大限に引き出す。しかし、最終的なアウトプットの責任は、すべて自分にあることを決して忘れないでください。

今回の出張で得た学びと熱量を、ぐるなびのサービス、そして日本のエンジニアコミュニティ全体に還元していけるよう、これからも活動を続けていきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

(実はこの記事は、NotebookLMとGeminiに99%執筆してもらっています。1%のHuman in the Loopということです。)


ぐるなびのフルスタック&フルサイクル気味のエンジニア。
ワインとラグドールとピアノと園芸が好きです。