SCRUM BOOT CAMP THE BOOK の輪読会をしました

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はじめまして

 シンチャオ!はじめまして。飯島雄介と申します。

 開発マネージャーとして、会員サービスのmyぐるなびぐるなびプレミアム会員、オウンドメディアのシェフごはんdressingを担当しています。

 サービス開発以外では開発プロセスの改善・グローバル化を行っています(ちなみに、冒頭の「シンチャオ」はベトナム語の挨拶です)。

 業務外では中学から今でも週2で続けているバスケットボールと、男児2人の子育て(仕事より大変!)に情熱を注いでいるアラフォー男子です。今もくろんでいるのは海外進出。アメリカのサンディエゴに住みたいと思っています。

 このブログにちょくちょく登場したいと思っていますので、以後お見知りおきください。

 今回は私が主催した社内勉強会「SCRUM BOOT CAMP THE BOOK 輪読会」の準備の過程と運営方法を紹介します。

輪読会開催のきっかけ

 私がこの輪読会を開催するに至ったきっかけは2つ。

  • 以前上司がドラッガーのマネジメント輪読会を開催して好評だったこと
  • 同業他社との交流会で『SCRUM BOOT CAMP THE BOOK 』の著者・西村直人さんと知り合った。西村さんから教わった「ドーナッツ駆動開発(略してDDD!内容はナイショ)」を翌日会社で試したら大成功! ぜひ西村さんの著書で勉強したいと思ったこと

 でも一番は、「一人で読むよりみんなで読んだ方が楽しいよね」といい合える仲間が欲しかっただけかもしれません。

『SCRUM BOOT CAMP THE BOOK』を選択

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 勉強会で利用した『SCRUM BOOT CAMP THE BOOK』は、これからスクラムについて知りたい人向けの本。マンガを使った実践的な解説が多く、読者の気持ちに寄り添ったストーリーとなっています。とても読みやすい一冊です。

参加人数、回数……ざっくり構想を練る

 輪読会を開くにあたって、まずはこんな感じで構想を練ってみました。

  • 参加者は5~10人がちょうどいい
  • 社内会議室に集まり、週1回×5週間=全5回開催。しんどくならない頻度で
  • 週ごとに進む範囲を決めて全員通読してくる
  • 事前に分担して、集まったときに軽くあらすじを話す
  • みんなで議論する。これを盛り上げたい!

メーリスでメンバー集めをしたら参加希望者が40人越え!

 いよいよメンバー集め。スクラムに興味を持ちそうなエンジニアの予測はついており、はじめはそのメンバーだけで実施してもいいかなと思いました。

 しかし、サービス開発にはエンジニアだけでなくディレクターやデザイナーも関わってきます。スクラムを実践導入するには彼らの協力も必要です。であれば今から巻き込んだほうが、あとで楽になる(という腹黒いもくろみw)。

 そこで今回は企画・開発の部署全体のメーリングリスト宛てにメンバー募集をかけてみました。大規模なメーリングリストに、上司にも相談せず勉強会の連絡を送るのは初めて。結果、40人以上の応募がきました!内訳は、

  • ディレクター…13人
  • サーバーサイドエンジニア…24人
  • フロントエンドエンジニア…3人
  • デザイナー…2人
  • 開発マネージャー…2人

 計44名。こんなに集まるとは想定外。他にも社内非公式勉強会は開催されていますが、この規模は前代未聞だったようです。私自身、この規模の勉強会の主催は初めてでした。

8人×5チームで週1開催に

 ノウハウなどありません。でも私はぐるなびでバスケ部を立ち上げ、50名規模のメンバーを統率している実績があります!もちろんぐるなび社員らしく宴会の幹事力にも自信あり!!(関係ない?)

 とはいえ一度に40人以上が集まって輪読会を行うのは難しいもの。そこで参加者を1週間、各曜日ごとに分けて5チームを作りました。参加者全員が議論に参加しやすくなるよう、1チーム8人ほどに設定。

 チーム分けは私が独断で行いましたが、下記のような考慮はしました。

  • 普段の業務で係わり合いがありそうな人を同じチームに集める
  • チーム内で役割(ディレクター、エンジニア、デザイナー)のバランスがとれるよう分散する
  • 事前にアジャイル経験を軽くヒアリング。経験者が1チームに固まらないように留意する
  • 勉強会の時間帯に他の会議や予定が入っていないか確認する

 参加者は週1で輪読会に参加すればOK。基本的にはチーム内のメンバーとの交流になります。チーム名は私の息子が通う保育園のクラスから取りました。

  • 月曜:ゾウさんチーム
  • 火曜:キリンさんチーム
  • 水曜:カエルさんチーム
  • 木曜:ウサギさんチーム
  • 金曜:リスさんチーム

ツールを使い分け、自由にコミュニケーションがとれる場をつくる

 チーム分けをして輪読会はスタートできそう。ですがチームに分断してしまうと、40人集まった旨味がまったくありません(ちなみ旨味は英語でも「UMAMI」、日本発祥の言葉です。)

 そこで5チーム間のコミュニケーションが生まれるよう、ツールを使い分けることにしました。大切なのはメンバー同士が自由に議論すること!

  • 基本情報や発表資料はConfluenceに掲載。誰でも自由に読み書きしてよし
  • 連絡、共有、ジョークはSlackに専用channelを作る。誰でも自由にjoin、postしてよし→輪読会終了後も継続してコミュニケーションに利用してます!
  • 議事録はGoogleのスプレッドシートを利用

 いずれも社員であれば、参加者以外でも閲覧可能にしています。

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欠席してしまった場合も資料が確認できる

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Slackの専用チャンネルはチーム分けをせず、輪読会の参加者全員が所属。今でも活用しています

ふせんを使うことで輪読会に集中できるようになった

 さーてそれではいよいよ輪読会の開催です。

 最初は5分発表・5分議論をワンセットにして5回(5人分)繰り返そうとしました。しかし、意外と議論が白熱するためとても5分では終わらない……。1週目のゾウさん、キリンさんチームは、5人終わらず翌週へ持ち越しが発生しました。

 そこであるスクラム経験者が持ち込んだのがふせんとサインペン。進行も5人が続けて発表・30分議論、というスタイルに変更。発表者以外のメンバーは発表を聞きながらコメントや質問をふせんに書き残していきます。5人の発表が終わったときにホワイトボードにふせんを貼り、30分ほど議論。

 これで発表が順調に消化でき、議論も集中して行うことができました(ところで、アジャイルやる人ってふせんの使い方が上手ですよね)。

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自主的にファシリテートしてくれるメンバーも出てきた

 進行方法を変えて輪読会の運営が安定してきたら、私がいなくても開催できるようになりました。ありがたいことに、自主的にファシリテートを行ってくれる方も増えました。

スムーズにいかないこともあった

 いろいろと工夫してきましたが、スムーズに進んだワケではありません。

1. 議論が深い闇に落ちた「じゃ、実際どうやるの?」問題

 輪読会の中で起こりがちだったのが、実際の開発現場にスクラムを導入するとどうなるか……という議論。たとえば

「プロダクトオーナーになるべき人が忙しすぎてつかまらない」

「デイリースクラムなんて、全員の都合がつかない」

「複数チーム横断する大規模プロジェクトはどうやってスクラムしたらいいんだ」

「要件が固まっていないのにリリース日が先に決まってるんだけど」

 こうしたネガティブな意見が挙がると、議論が深い闇に落ちていってしまいがち。そんなときは「とりあえず先に読み進めましょー!」と開き直って進めます。体育会系な勢いは、こういう輪読会をするうえで大事なことだと学びました。

 輪読会の時間は有限。意見を受け止めつつ、時間内にうまく切り上げることも大切です。

2. 経験者に結論を求めがちになってしまった

 輪読会ではメンバー全員の発言の機会が増えるように心がけていました。しかし輪読会チーム内にスクラム(もしくはアジャイル)経験者がいると、議論の結論をその人の意見に偏ってしまいがちに。

 たしかに経験者の意見は信頼性があります。とはいえ、その人に結論を同時に求めてしまうと議論が1vs多に陥ってしまいます。全員で意見交換を行っている意味がありません。

 そこで発表後の質問を未経験者にしてもらったり、メンバーがまんべんなく質問できるよう私がファシリテートしました。

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輪読会を終えて

 輪読会も全日程が終了しました。そこで、今回の輪読会でうまくいった点と課題をまとめます。

うまくいった点

  • ConfluenceやSlackの輪読会専用チャンネルを活用した点。結果、大人数でもコミュニケーションを取れるようになった
  • 輪読会1回につき25分(5分×5人)発表・約30分議論のスタイルを採用した点。ある程度まとまった時間をとることで、発表・議論にそれぞれ集中できた
  • ランチタイムに実施した点。メンバーがリラックスした状態で議論にのぞめた

課題

  • 経験者の意見に頼りがちになってしまった。全員で意見交換できるような進行をしたい
  • 開催頻度を考えたい。1ヶ月間、私はランチタイムが毎日輪読会になってしまった(妻が珍しく何度か愛妻弁当を作ってくれたのは嬉しかったです!次男が生まれて睡眠時間が安定して取れないなか、がんばってくれました!)

今後・輪読会の学びをさっそく生かす

 今回の題材だったスクラムにもふれておきましょう。輪読会では「学んだことを現場で生かすのはあなた達次第です」という無責任な締めくくり方をしてしまいましたが……。

 スクラムを実践投入することは会社全体の仕事の仕方に変化を与えます。でもスクラムの中にあるアイデアやプラクティスは本当にすばらしいもの。エッセンスを細かく分割していけば、実践投入できそうなイメージが湧きました。

  今後は下記のように活動を続けていきたいと考えています。

  • 最近社内で利用が広がりを見せているJIRA、Confluence、Slackの普及に力を入れ、開発プロセス上でのコミュニケーションを活性化させる* 関係者が少なく、責任範囲のとても狭い(自分達でプロダクトオーナーができる)プロジェクトでスクラムをしてみる
  • スクラム勉強会実践編を少人数で開催し、業務外のプロジェクトでスクラムをやってみる

 またスクラムに限らず、さまざまな勉強会やセミナーを開催し、社内外のエンジニア同士が刺激し合い活躍できるシーンを作っていきたいと思います。 f:id:g-editor:20160713144812j:plain:w650

木曜日・ウサギさんチーム

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 さて、最後に。私が部長を務めるぐるなびバスケ部も社内外からの参加者および練習試合の相手の募集を行っております。くれぐれも強くない、エンジョイ目的でバスケをしているorしたい方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声がけください!

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飯島雄介
会員サービスのエンジニアマネジャーとバスケ部の部長をやってます。サービス開発もバスケもチームパフォーマンスの最大化を目指します!趣味はバスケ、旅行、英会話。