はじめまして、ECサービス開発グループのけんもち(一児のママ)です。現在のチームでは、ぐるすぐり、ぐるなびデリバリーPremium、シェフごはん、その他、複数のサービスを担当しています。
私の業務は、開発ディレクション、運用・保守業務に加え、チームメンバーの管理です。
今回は、私の仕事とライフ・イベントの話をします。
私がプログラミングの仕事をはじめたのは199X年頃。当時は職場に女性が少なかったのを覚えています。2000年代になると、フィーチャーフォンソーシャルサイト登場や、Webサービスが進化。これにより、性別問わずにエンジニアが急増したように思います。
2018年現在、ぐるなび開発部門の男女比はおよそ3:1。女性エンジニアの数も年々増えています。今後、女性エンジニアがライフ・イベントと仕事を両立できるイメージが持てればと思いブログを書くことにしました。
入社〜産休に入るまで
私がぐるなびに入社したのは2008年の夏。それまでアパレルのECサービス開発をしていた私にとって、自社サービスを運営していたぐるなびは魅力的に映りました。さらに、食に関するサービスを展開しているという部分に惹かれました。
ぐるなびは飲食店のポータルサイトのイメージが強いですが、その他にも多くのサービスを提供しています。入社以降、ぐるなび食市場(お取り寄せECサービス)、ぐるなびトラベル、ぐるなび 応援!おすすめメニューランキング、ぐるなびデリバリーと上流工程からプロジェクトに参画して、数々のサービス開発に携わりました。
そのなかでリーダー職につくなどキャリアを積むかたわら、私生活では結婚して妊娠がわかりました。
当時、100名以上いた開発部内でも産休を取るメンバーは一桁程度。人事や上司と相談しながら妊娠中の体調を考慮し、人員の冗長化体制、仕事の負荷軽減、事務手続きをしたことを覚えています。
妊娠6ヶ月目を迎えた2012年12月、切迫早産のため早めの産休に入りました。切迫早産のため傷病手当金(※1)の支給対象となりました。
(※1)傷病手当金……健康保険から支払われる給付金。病気(妊娠悪阻や切迫流産、切迫早産)や怪我によってそれまでの仕事ができなくなり、長期間休職しなければならない会社員のための制度です。4日以上仕事を休んでいる場合、4日目から支給対象となります。
産・育児休暇に入ったのが早かったため、復帰は2013年の10月(子どもが7ヶ月ほど)を希望。7月に認可、認証、無認可保育園に問い合わせをしました。しかし、どこの園もすぐには入園できない状態でした。11月に自治体に保育園入所申込みを申請したところ、運良く2014年の4月入園内定を取得したので、4月から復職することに。産・育休暇の取得期間は1年4ヶ月ほどでした。
復職。子育てと仕事の両立のため翻弄される日々
休職前までの役職は、リーダー職。しかし、当時は開発部内に育児をしながらリーダー職などの役職についている女性社員がおらず、自分も両立させる自信がありませんでした。
また、1年4ヶ月間のブランクがあることに加え、子どもの体調不良などで休みをとる可能性もあります。
保育園1年目に親がぶつがりがちなのが「病気の洗礼」。子どもは免疫力が未熟ななか慣れない集団生活を送ります。その結果、突発性発疹、胃腸炎、アデノウィルス、手足口病などさまざまな病気にかかりやすくなってしまうもの。一度発症すると5日~8日間ほど保育園を休むこともあり、その間の仕事の調整に追われたり、子どもから親へ感染したりするのも珍しくありません。この時期は、親の臨機応変な対応が求められます。
それらの事情や心配事を上司と相談。リーダーではなくメンバーとして復帰し、他のメンバーのフォローを受けやすいよう、サービスの運用・保守業務の担当からはじめました。
実際、復職1年目は30日以上あった有給休暇も全部消費しました。当時のぐるなびでは1日有給休暇か、半日(午前・午後)の有給休暇(※2)制度のみが制定されていました。ちょっと通院するだけで半日有給休暇を消費することとなり、足りない分は子の看病休暇(※3)を利用しました。
(※2)現在は時間単位年次有給休暇制度があります。
(※3)就業規則に規定する年次有給休暇とは別に当該子が1人の場合は1年間につき5日間、子の看護休暇を取得することができる制度です(無給)。
仕事が順調に進んでいるときほど、子どもの体調不良によって早退せざるを得ないこともあります。任されていたサービスの運用・保守の業務は嫌いではありませんが、新しいことに挑戦する機会にはなかなか恵まれません。歯がゆさを感じながらも、子育てと仕事をするだけでいっぱいいっぱいの日々が続きました。
ただ、時短勤務にはしませんでした。意地もありましたが、いずれ産休前と同じような働き方をすることを考えると、早いうちから同じ時間帯で働きたいと思っていたためです。
プロジェクトへの参画が自信回復きっかけに
復帰してから10ヶ月が経過したころ、上司から新しいプロジェクトへのヘルプ要員にならないかというお誘いをもらいました。独身のときなら、悩みもせず「はい」と即答したと思います。しかし、子どものいる状態でできるかどうか分かりませんでした。私の口からでた答えは「やってみたいけど……」と曖昧なもの。それでも上司は私に任せてくれました。
プロジェクトは、CMSで稼動していたプロが厳選したギフト・手土産のキュレーションサイト「ippin」をスクラッチ開発するというものでした。担当した業務は以下のとおり。
- ベンダーコントロール
- 社内共通システムの調整
- サーバ環境の整備
- データ移行スケジュール調整
やると決まると、じわじわ責任感もわき、思った以上のタスクを担当していました。もともとチャレンジ精神が旺盛な性格だったこともあり、責任感とともにやりがいを感じました。
しかし、プロジェクトを完遂するまでは簡単なことばかりではありません。チームメンバーと充分にコミュニケーションをとることを意識しました。
1:他案件の開発メンバーにも協力してもらう
私がこのプロジェクトに参画したのは1月。リリースが5月18日だったため、4ヶ月で作らなければなりません。しかし、チームメンバーは社員2名、その他外注ベンダー数名しかいませんでした。データ移行も含めて、リソースが足らなそうだと感じました。
そこで、企画要望の機能を2phaseへ案件整理したり、別案件を担当している開発メンバーにバッチ開発等をお願いしたりしました。
そのプロジェクトに関わってる人員だけで頑張るのではなく、チーム外のリソースを調達する手段を選びました。
2:他メンバーと業務を分担する
私は18時には帰宅しなければなりません。すべての打合せに参加するのではなく、どうしても必要な場合にのみ参加。業務も、もう一人のメンバーと手分けをしながら遂行しました。
以前なら自分ができることは残業しても対応していました。ただ、私自身時間制限があるので、全業務を自分で抱えることはできません。逆にそれが迷惑となり、プロジェクトの失敗に繋がる原因ともなりかねません。早い段階で働き方を改善し、自分の業務の取捨選択をすることにしました。
3:メンバーとコミュニケーションを意識する
円滑に仕事を進めるためにはメンバー同士の協力が欠かせません。メンバーが困っていることをすぐに伝えられるよう、いつでも話しかけやすい関係を築くべく、普段から細かなコミュニケーションをとるように意識しています。ランチなどを一緒にとらないまでも、話をするのは会議で同席した際やオフィスですれ違ったときなど、些細な時間。仕事の話だけではなく、世間話などをすることも多いです。
また、私が困っているときにフォローしてもらったら、「◯◯さんが対応してくれたから、助かった」と必ず感謝の気持ちを伝えるよう意識しています。
リーダー職務へ復帰、育児と両立させるための働き方改善
苦難もありましたが、過去の仕事の感覚を取り戻し、復帰1年後リーダー職務に戻りました。そのころから、自信をもち働くことを心がけました。
あわせて、働き方も以下のように改善しました。
- 通勤時間や、家で出社前に社用携帯でメールチェック
- 子どもが体調不良の際は、在宅勤務制度(※4)を利用
- メンバーに任せられる業務は責任の取れる範囲で任せる
(※4)育児・介護のために在宅で勤務できる制度。月に3回まで使用可能
会社としても育児支援が拡充され、ベビーシッター、病時保育、時間単位での有給休暇などが利用できるように。フル活用して子育てと仕事を両立させています。
子どもが3歳になってから、家事分担の割合を変更
復帰から2年が経ち、子どもが3歳にもなると、意思疎通もできはじめます。着替えや食事は、時間が掛かりますが子ども自らできるようになりました。
リーダーにもなり私も仕事の負荷が上がっていったので、少しずつ夫婦間で育児・家事を分担。保育園のお迎えに行ったほうが食事の片付けからお風呂の用意、寝かしつけまでを担当するよう取り決めました。
どうしても会社に残って作業がしたいときは、パートナーにお迎えをお願いできないか交渉しました。その際は「中途面接が19時からある。新たなメンバーは自分で面接したいため、お迎えを代わってほしい」というように、どうしてもその仕事は自分じゃないとだめな理由を明確に伝えるようにしました(保育園のお迎えが20時15分までなので、他の園と比較すると遅くまで対応してくれる保育園かもしれません)。
最近は、残業が発生しそうな日を週末に共有。それぞれ残業しない日をお迎え担当に割り振ります。
我が家のルールは、やってもらったことに関して文句を言わないこと。自分も完璧ではない分、相手にも完璧を求めないようにしています。
家事ひとつとっても、人によってやり方が違います。そこに不満を感じて自分でやりなおすよりかは、違いを受け入れようか、と思うようにしています。
自分自身の時間の捻出
子育て中、自分の時間が取れないのは多くの人が抱える悩みだと考えています。私も子どもが4歳になるまでは寝かしつけをしたあとに起きて夜中にTVを見たり、本を読んだりしていましたが、かなりぐったりしていてそのまま子どもと寝てしまうことが多かったです。
子どもが4歳になってからは、保育園に送るのは父親の担当、迎えは母親担当とルールを制定。朝の時間にゆとりができた分、早めに家を出てカフェで本を読んだり、勉強したりと朝の時間を有効活用するようになりました。
私が自分の時間をどう取るかを考えたときは、無駄な作業を探してみるところからはじめました。今やっていることと、これからやりたいことを天秤に掛けて、どちらの優先度が高いか精査します。今やっていることに軍配が上がるなら、「そこまでやりたいことではない」と考えられます。
帰宅後のざっくりしたタイムスケジュールを作ると、次にやることを考えず、スケジュール通りに行動するだけなので楽です。
参考までに私の最近のスケジュールは以下のような具合です。
朝
- 5:30 起床(朝食、お弁当の準備)
- 6:45 家を出る
- 7:00 cafeで好きに過ごす
- 9:00 出社
夕方
- 19:00 お迎え
- 19:20 帰宅
- 19:30 食事の準備
- 19:45 洗濯回す・食事・洗濯物をたたむ・食器洗う
- 20:30 お風呂
- 21:00 洗濯物を干す(室内)、明日の料理
- 22:00 寝かしつけ・絵本3冊
- 23:00 就寝(私)
個人的には、お風呂の湯をためている(7分間)に、食器を洗ったり、洗濯機が回っているとき(36分間)に、何か作業したりなど、時間制限を設けながらマルチタスクで家事をこなすことが大好きです。
今後のチャレンジ
今後の目標としては、母親的観点から内食に関する新サービスの提案もできればと考えています。子どもがいるとなかなか外食できなかったりするので、ECサービスを利用して家庭でレストランの料理を楽しんだり、今晩の献立に悩んだらシェフごはんのサービスからシェフのレシピでお料理を作ったりなど、ぐるなびのサービスがレストランのポータルサイト以外でもユーザ認知されるよう拡大していきたいです。
そのためには、エンジニアとしての技術スキル向上はもちろん、トレンド情報収集の強化、他サービスの取り組み、また、Webに捉われないサービス提供もしていきたいです。
今回、こうして記事を書いてみたことで他の女性エンジニアが自信を持って働ける環境ができるといいなと思いました。母親としての既成概念に捉われず、新たな育児の仕方・働き方を試し、それを別のメンバーに共有していく活動も推進していきたいです。
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