こんにちは。ぐるなびの侍ことOKANOです。今回はぐるなびの開発部門内で定期開催しているLT大会の様子を紹介します。
ぐるなびのLT大会とは
本題に入る前に、少しだけ運営についても触れたいと思います。開発部門では、勉強会文化促進のためのプロジェクトチームを結成しています。目的は、エンジニアやデザイナーたちの交流を促進させることです。
その施策の一環としておこなっているLT大会。第1回目のLT大会を開催してから1年半が経ち2017年5月のGW明けに第5回目のLT大会(以下5thLT大会と呼びます。)を実施しました。
テーマと登壇者
LT大会では毎回なにかしらのテーマを設定しています。 5月(春)ということで、
- 出会い
- はじまり
- 新機能
- 新商品
といった「季節もの」をネタに登壇者を募集しました(テーマに対しては、こじつけOKにしています)。自薦他薦にて決定した登壇者の皆さん(と発表タイトル)がこちら。
小川さん | 働く母になって思うこと~復職編~ |
河本さん | 逆データマイニング |
佐藤さん | ロゴとTシャツと私 |
白崎さん | Bridge the language barriers |
高橋さん | スモール・イズ・ビューティフル |
宮澤さん | Not Only Input, But Also Output(Draft) |
三浦さん | J的な今年触れたいあれこれ |
愛宕さん | ぐるなびでアジャイル開発するということ |
実況用チャンネルの用意
LT大会を実施するにあたりTwitterでよくみかける実況できる場を作りたいと考えました。とはいえ、社内用のLT大会なので、Twitterのようなオープンな場はNG。そこで、slackに実況専用のチャンネルを用意しました。
開始直前〜直後の様子。ぞくぞくと人数が増え、最終的には65名がチャンネルにジョインしました
英語で発表した「Bridge the language barriers(※後述)」のときのチャンネルの様子。感想が自由に飛び交います
slackを使って実況する取り組みは今回がはじめて。予想以上に活発なコミュニケーションがおこなわれており、参加者にも好評だったので次回もこの形で進めようと思いました。
当日の発表
それでは1つずつ僕の感想を添えつつ紹介していきます。
働く母になって思うこと~復職編~
登壇者はママエンジニアの小川さん。出産・育児休暇から復職し、ママエンジニアとして働きはじめた1年目の振り返りを発表されていました。
特に2017年1月、インフルエンザと溶連菌の家庭内感染が発生し、子どもの看病や自身の看病に追われた話には共感する方が多数。夫と協力しながら乗り越えたというくだりには未婚の僕も心動かされました。
大変だったことだけでなく、プラスの面の発表もありました。通勤時間がリフレッシュとなったり、仕事で煮詰まっても家庭で癒やされたりといったことです。家族って良いものだなと感じました。
逆データマイニング
登壇者は、データ分析エンジニアの河本さん。以前勤めていた会社で、膨大な数のCSVファイルに散見されるバイナリを取り除くため、膨大なファイルをマイニングしようと試みたお話でした。
結局全件手作業でチェックすることになったそう。しかし、この案件を通して、システムや統計は目的ではなくあくまで手段で、「良い」と思われる方法はそのときどきの環境や状況によって変わる、と改めて確信したそうです。
もっとも印象に残ったのは教訓として述べられていた「システムも統計も課題解決の道具。」という言葉。この発表でデータ分析への興味が湧いたエンジニアも多かったと思います。
ロゴとTシャツと私
デザイナーの佐藤さんから、「JAPAN SKI GUIDE」というサービスのプロジェクトにおいて制作したロゴ(主にボツ案)とその制作過程のご紹介。ロゴの使用用途を確認し、ターゲット設定。より良いロゴを求めひたすらラフを描く……というデザイナーさんの業務プロセスを改めて聴けて勉強になりました。
ロゴがボツになった理由は、「既存の他社ブランドロゴに似ている」といったものから、ノベルティ展開を考え「もう少しシンプルな方が良い」といった理由までさまざま。
上図はスライドの一部。要件のメインポイントは「イメージしやすさ」と「シンプルさ」だったそう。
こちらが採用されたロゴ。ボツロゴは自主制作でTシャツにしているそうなのですが、とてもカッコイイので欲しくなりましたw
Bridge the language barriers
フロントエンドエンジニアの白崎さんによる、アメリカで働いた時のお話。日本語字幕をスライドに表示させながら口頭では英語で進めていきました。
アメリカでコミュニケーションがとれず悩んだこと、同僚のアドバイスで気付いたこと、それから自分が変わったことについて発表され、経験をもとにされていたので言葉の重みを感じました。
とくに印象に残ったのは、アメリカの同僚からかけられた「君の英語がそんなに上手くないことは知っている。でもこっちは理解しようとしてるし助けようとしてるのに、何も言ってくれなきゃわからないよ」という言葉。「伝えようとする努力を放棄することは失礼」という気付きにはハッとさせられました。
おそらく、言語の壁以外でも言える事でしょう。たとえばシステム設計。工数を考慮して、自分の考えたアイデアを言わずにそのままにしてしまうことが僕にはあったためです。
また外国人に対しては「より一層親切にしよう!」と心に誓ったのでした。
スモール・イズ・ビューティフル
Webエンジニアの高橋さんが、コーディングのコツを紹介。先輩エンジニアから「すごく複雑なコードだ」とコメントされた、新卒1年目のときに作成したコードを例に、実装する機能を分解させてコードを書くメリットを分かりやすく発表していました。
観客として参加していた今年の新卒エンジニアさんにも参考になったのではないかと考えています。
Not Only Input, But Also Output(Draft)
登壇者はデータアドミニストレーターの宮澤さん。エンジニアやデザイナーをはじめ、あらゆる人に必要な「戦略立案」のための思考方法を、事例を交えながら紹介していました。LT大会では、聴講者はただ聞くだけの発表が多いもの。しかし、このセッションではクイズ形式をとり、tweetを介して聴講者全員が内容を考えながら学びを得ることができました。
また、ただクイズ形式で事例を紹介するのではなく、宮澤さん自身の体験を踏まえた応用例や教訓を交えることで、なごやかな空気も演出していました。
J的な今年触れたいあれこれ
登壇者は開発が大好きな2年目Webエンジニアの三浦さん。タイトルの一部「今年触れたいあれこれ」のとおり、三浦さんの興味のある技術を使って、プライベートで開発したツールを紹介していました。使用したのはおもに
- AR.js
- Amazon Dash Button
- LINE Bot
の3つ。デモが盛りだくさんで楽しい内容でした。
三浦さんの発表の裏話はこちらにまとめられています。
ぐるなびでアジャイル開発するということ
リードエンジニアの愛宕さんの発表は、ぐるなびの開発現場でローカライズされたアジャイルについてです。観客が全員ぐるなび社員なので、会場では思わず頷く人も多かったように思います。
アジャイルの知識を知っていてその型通りに進めることは、どの現場でもなかなか思う様にいかないと思うのですが、どのようにローカライズ・カスタマイズしたのか。わかりやすいロジックで解説していました。これによって仕事の進め方が上手くなるエンジニアも増えるのではないかなと感じました。
歓談タイム
発表後、結果集計の時間には歓談タイムを設けました。軽食や飲み物も用意し、特にピザが好評なようでした。
結果発表
最後に、結果発表の時間を設けました。聴講者も投票権を持つ「会場投票」ではクイズ形式で発表した「Not Only Input, But Also Output(Draft)」の宮澤さんが優秀賞を受賞。
登壇者間での投票では、ロゴの制作過程を解説した「ロゴとTシャツと私」の佐藤さんが優秀賞を受賞しました。
総括、学び
5thLT大会では、「技術」に的を絞って登壇者を募集しませんでしたが、(職種的な)多様なレイヤーの目線で発表があり、事後に取ったアンケートでも満足度は高かったです。(5段階評価のうち92.3%が4以上と回答)
個人的にも発表内容からの収穫が多く、帰り道の夜風が気持ちよかったのを覚えています。
観覧者の年齢層もまんべんなく集まりました
今後はテーマを「技術」に絞った回と、今回のような毛色の違う回を交互に開催していきたいなと思います。 また、いずれは社外の人も招いて開催できればとも考えています。